大塚家具は、大塚久美子社長が12月1日付で辞任すると発表しました。
今後はヤマダホールディングス出身の三島恒夫会長が社長を兼任するのとのことです。
お家騒動で世間を騒がせた久美子社長ですが、ここにきて突然に辞任発表です。
いったい何があったのでしょうか?調査していきます。
大塚家具のお家騒動
大塚家具の経営が思わしく無くなってきたきっかけが、大塚家具の創業者・大塚勝久氏と久美子社長の親子ゲンカにあると言われています。
2009年に社長に就任した久美子氏ですが、大塚家具がこれまで作り上げてきたブランドイメージを覆す施策を打ち出します。
元々は「会員制」として大きく成長した大塚家具ですが、久美子氏は「1人でも入りやすく、見やすい、気楽に入れる店づくり」を提唱しました。
経営方針の変更に不満を持った勝久氏は、2014年に久美子氏を解任、自身が社長に復帰します。
ここからが世間でも報じられたお家騒動のスタートです。
勝久氏が復帰するも赤字転落
勝久氏が復帰したことにより、久美子氏が主導してきたカジュアル路線の新業態店舗を全て閉鎖。
久美子氏に近い幹部社員についても「粛清人事」を断行します。
この内部紛争が原因なのか、大塚家具は営業赤字に転落します。このため経営方針を巡って取締役会は勝久氏側と久美子氏側の2波が対立する事態となります。
久美子氏が社長に返り咲くも・・・
その後、2015年1月の取締役会で4対3の評決で久美子氏が社長復帰、勝久氏の社長退任が決議されました。
さらに3月の株主総会でも委任状争奪戦が行われた結果、最終的に久美子社長の地位が確定しました。
その後の大塚家具の没落はご存知の通りで、勝久氏が設立した「匠大塚」との競合もあり、2016年が15億円の赤字、2017年が72億、2018年が14億と3年連続の営業赤字を叩き出してしまいました。
そして、2019年ヤマダ電機との業務提携を発表することになります。しかし業務提携というもの、実際は大塚家具がヤマダ電機の子会社になると言うもの。株価は大きく下落し、経営責任を問う厳しい声も上がりました。
久美子社長は戦う相手を間違えた?
もともと大塚家具は「会員制」の「高級家具店」として業績を上げてきました。
しかし、久美子社長はよりカジュアルな方向へと方針転換を目指しました。カジュアルな家具屋といえば「ニトリ」や「IKEA」が思い浮かびますが久美子社長はこの2社を意識していたように思われます。
しかし、入りやすくなったとは言えそこは「大塚家具」。ニトリやIKEAの客層が望む低価格の商品は置いておらず、入りやすいが価格は高いという状態になってしまいます。
逆に元々の顧客だった富裕層は、ブランドイメージの失墜した大塚家具に見向きもしなくなってしまいます。
そして、4年連続の営業赤字を招いた結果となりました。
久美子社長の辞任理由は?
久美子社長の辞任は、「過去の業績について責任を明確にしたい」と本人より辞任の申し出があったのことです。
赤字続きの大塚家具ですが、ヤマダ電機の子会社化により「今期は通気赤字を見込むものの、前期に比べて大幅な改善が見られ、来期の黒字化に向けての道筋がつきつつある」としています。
ようやく経営が上向きかけた節目で、自ら身を引くということでしょうか・・・。
最後に
大塚家具・大塚久美子社長の辞任について調査しました。
色々あった大塚家具ですが、ヤマダ電機の子会社化によって良い方向へ向かっているようです。
しかし、以前までの客層であった富裕層は戻ってこない気もしますが・・・。これからは新しい顧客の取り込みが必須になりそうです。